森 貴史, 藤代 幸一 著『ビールを〈読む〉: ドイツの文化史と都市史のはざまで』

2022/8/3
一読済。関西大学教授&東京都立大学名誉教授である著者二人が、多様なドイツ??ビールからドイツの都市文化&歴史について解説している。著者の体験談と共にドイツ文化史に対する深い知識造詣が読み取れる内容で大いに勉強になる???
以下参考・抜粋:
P.58
アインベックはAynpo’ckと書かれた。pはbと音は等しかったので、語の後半部分がいつしか「ボック」となり、ein Bock が生まれたのである。雄山羊を意味する Bock とはもちろん無関係である。
P.162
ゲーテと親交のあったヴィルヘルム・フォン・フンボルトは、一八二三年の一通の手紙の中でこう書いている。「ゲーテは食欲がまったくありません。スープにも肉にも野菜にも。彼はビールとパンで生きています。朝は大きなグラスで何杯か飲みます。黒かそれとも半褐色か、どちらのケストリッツァービールを飲むか、召使と相談するのです。[…]」。一八二三年といえば、ゲーテ七四歳
Köstritzer: Köstritzer Schwarzbier
P.165
ゲーテの情報が入らない時、ケストリッツァーの黒ビールを飲んだ折にはさほどの印象がなく普通の黒ビールだと思ったのに、ゲーテという調味料が入ると、現実の味覚とは離れてなにやら格が上がったような気がした。ビールテイストには心理的な影響が大きく働くのだと思わされた。
P.236
ヨーゼフ・グロル
Josef Groll – Wikipedia
ピルスナー・ウルケル – Wikipedia
P.249-257
ビール純粋令 – Wikipedia
原文と共に日本語で全訳された文章が掲載されており大変興味深い。
森 貴史, 藤代 幸一 著『ビールを〈読む〉: ドイツの文化史と都市史のはざまで』https://amzn.to/3bmFrg8
https://twitter.com/akashi_takuya/status/1554711175538954240