Takuya A's Beer Collection
Takuya A's Beer Collection

一日の終わりに、寛ぎながらグラス片手にビールを嗜む。
今日も一日お疲れさまでした、無事平和に過ごせたことに感謝する。

書籍

エリー・アレグザンダー 著『ビール職人の醸造と推理』


2022/8/20

読了。女性ビール職人 “スローン” を中心に物語が展開する推理サスペンス第1作目。

3作目『ビール職人の秘密と推理』と登場人物&設定が殆ど変わっておらず、すんなり物語の世界観に慣れ親しむことが出来た。麦酒醸造家の観点が読み取れ興味深い???

P.26
ハンスは腕を伸ばし、近くのホップをいくつか摘んだ。そのひとつを指でいじりながらうなずいたあと、私の方へホップを放った。私はその香りを吸い込んだ。ホップのおかげで心拍数がもとに戻った。ホップはリラックス効果があることで知られている。緊張をほぐすため、わたしも夜、枕の下にホップを入れて眠ることがときどきあった。

P.161
「もうなくなりそう?」「たぶん。パンクしたらすぐに樽を交換するつもりだ」
パンクするとはずいぶん大げさな言い方だが、実際は、樽の底に残ったビールがシューシューと音を立てて、泡となって注ぎ口から出ることを意味する。

P.261-262
ヴァンの手書きのラベルによると、ラガーらしい。わたしはグラスを光にかざした。ビールは濁っており、その先が見えず、酵母が浮いていた。これは良い兆候ではない。濾過のしかたがまちがっているか、わざと無濾過のビールをつくったかだ。(中略)

私はビールのにおいを嗅いだ。わずかに酸っぱい香りがしてきたが、きっと彼が使っているホップのせいだろう。そう前向きにとらえたものの、ヴァンの説明では、一種類のホップのみを使ったラガーということで、濾過は二回おこなったという。あらあら。それはよろしくない。(中略)

また、バタースコッチのような香りもほのかにしたが、これは、悪い酵母を使ったか、発酵工程を誤ったせいだ。そのどちらかにより発生するジアセチルの味だった。わたしは口の中のものを飲み込み、ぎこちない笑みを浮かべた。「面白い味ね」うそではない。ヴァンのビールは実際面白い味がした。けれども、決していい味ではなかった。

エリー・アレグザンダー 著『ビール職人の醸造と推理』https://amzn.to/3wdMDSM

https://twitter.com/akashi_takuya/status/1560854017940410368

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