Takuya A's Beer Collection
Takuya A's Beer Collection

一日の終わりに、寛ぎながらグラス片手にビールを嗜む。
今日も一日お疲れさまでした、無事平和に過ごせたことに感謝する。

ウイスキー 書籍

竹鶴政孝 著『ヒゲと勲章 ウイスキー革命は俺がやる』


2023/2/4

読了。ニッカウヰスキー創業者 竹鶴政孝さんのウイスキーに対する想い、自身の体験と経歴を綴った自叙伝が収録。1966年刊行。竹鶴政孝さんの人柄と当時の心情、ウイスキーに対する直向な思いが読み取れる内容だった🥃🙏😌📖

以下参考抜粋:

P.6
竹鶴政孝からウイスキーを取り去ったら何も残らない、と人はいう。みずからもまたそういっている。この稀代のウイスキー男の一代こそ、生きた日本のウイスキー史といえるものであり、本書の持つ意義もまた大きいと信ずる。

竹鶴政孝 – Wikipedia 

P.15
私は、きびしさに耐えうるだけの品質と技術と誇りにする自信を持っているからだ。逆にいえば、ニッカの誇りうるのは、品質と技術だけだ——私はそう思う。

NIKKA WHISKY 

P.18
“ブラックニッカ”
黒いビンに、ヒゲをたくわえたおやじのラベル。このおやじはお前がモデルか、とよく聞かれるが、とんでもない話だ。これは “キング・オブ・ブレンダー” という称号を与えられたW・P・ロウリーというブレンドの神様みたいな人の肖像である。

BLACK NIKKA HISTORY|ブラックニッカ|商品紹介|NIKKA WHISKY 
【ウイスキーの豆知識!】ニッカウヰスキーのイメージキャラクター『ヒゲおじさん』のモデルは誰? | DEFUGAMI家飲みウィスキー 

P.21
余市に目をつけた理由は、その気候、風土および湿度がウイスキーづくりにまったく適していることのほかに、草炭(ピート)が無尽蔵にあり、水もたゆまず湧きいでているからである。(中略)
ともかく余市という町は、スコッチウイスキーの故郷スコットランドにすべての条件がまったく似通っているのだ。私は、私の選んだこの余市に四万五千坪の土地を買い、全力をあげて工場を建設した。私の場所の選定に狂いはなかった。

余市蒸溜所 | NIKKA WHISKY 

P.26
ヒゲと勲章 ヒゲは私のトレードマーク

P.31
ウイスキーを飲んで楽しい人生

P.32
スコッチスタイルのウイスキーをつくるには、どうしてもカフェ式蒸溜機を使わなければダメである。これは、百三十年前に、ミスター・カフェ(Mr.Coffey)という人が発明した機械である。これを使って、大麦やトウモロコシを原料にして、グレーン・スピリッツをつくる。原酒にこのグレーン・スピリッツをブレンドしなければ、本物のスコッチウイスキーにはならない。

宮城峡蒸溜所の紹介「カフェ式連続式蒸溜機秘話」 | NIKKA WHISKY 

P.48-49
一ヵ所でたいして飲まず、また次に行って飲む。こんなハシゴならば、時間をかけて飲むという点からも、ハシゴの数だけ人生を楽しめるという点からも、大いに結構。一軒の店でガブガブ飲まないこと、たえず自分の酔いを計算し、確かめながら飲むこと——これがハシゴの秘訣だろう。

P.50
楽しみはできるだけ長く——それが人生を幸せにする大きな手段であるといえよう。

P.53
文化国家というものは、嗜好を高めることにある。(中略)
同じ人間人生まれてきて、食べることが楽しめないとは、まことにもって不幸のかぎりだと思う。

P.53-54
ウイスキーを飲む人々には、良いものと悪いものとを飲み分ける舌を持っていただきたいものであるが、これが、私たちウイスキーをつくるものにとっては、商売道具。良いものと悪いものを飲み分けるばかりでなく、種類のちがいも飲み分けねばならない。

P.57
酒はいい。なかでもウイスキー、これはいい——。

P.59
酒は人間とともにある!
私は、酒を飲める人は幸せだと思う。だいたい “酒が飲めなくて幸せです” などという話を聞いたことがない。酒も飲まない、タバコも吸わぬというヤカラは、必ず菓子を食う。すると酒代よりも高い薬代を払うことになってしまう。酒を飲める幸せ、これはお金には代えられぬ代物なのだ。

P.60
酒の歴史は、人間の歴史であるといっても言いすぎではない。それほど酒は人間にとっても切り離せないほど関係の深いものなのだ。というのも、酒にそれだけの功徳があるからだが、それはいったい何なのか。
一言にしていえば、それは人間を現実から解放する “解放剤” としての作用ではないか。

P.60-61
酒は人間の喜びをいっそう倍加させてくれる。嬉しいとき、喜びたいときの一ぱいの酒、これもまた効果的だ。
酒は人間の歴史とともにあった。というのも、酒にはこうした何ものにも代えがたい功徳があるからだ。
そこに私は酒づくりの使命を激しく感じる。オフィスに働く都会のサラリーマンも、野良に鍬打つ農夫も、わたしたちのつくるうまい酒を心から待っているのだ。それを思うとき、私は、ウイスキーづくりの重々しい使命に胸をはげしくつき上げられる思いにとらわれるのである。

P.69
池田さん自身、病気の前は毎晩ニッカのスーパーを飲んでいて、ニッカウヰスキーを愛していたからではあるが、「国際的会議では日本経済の進捗を海外の人々に示さねばならぬ。日本にきてまでスコッチを飲ませる必要はない。スコッチに対抗できる品質の国産のニッカを飲んでもらうべきだ」という信念があってのことだった。このとき、スーパーを飲んだ外人が、そのうまさに驚いたという。これを聞いたときは実に痛快だった。

池田勇人 – Wikipedia 
スーパーニッカ|商品紹介|NIKKA WHISKY 

P.74
鳥井信治郎 – Wikipedia 

http://lovefami.s1008.xrea.com/wp/?p=14817

P.79-80
君、ひとつスコットランドに行って、本場のウイスキー製造を勉強してきてくれないか!

私は今まで非常に幸福な人生の道を歩んできたと思っているが、その端緒といえるのがこのイギリス留学であり、私の一生を決したものだった。

もしも私が、阿部社長の恩顧をうけず、イギリスでスコッチを研究することがなかったなら、「今日の日本のウイスキー界の様相も変わったものになっていたろう」と私はひそかに考えることがある。

P.97
今でも大事に使っているネットルトンのウイスキーの本は、このころウイリアム博士に推薦してもらったものである。もう、ボロボロになっているが、書込みや、アンダーラインをみると、当時の苦しみがはっきりと甦ってくる。

“J.A.ネトルトンの「ウイスキー並びに酒精製造法(The manufacture of Whisky and Plain Spirit)」”
余市の「ウイスキー博物館」 – ウイスキーノート 

P.100
「お前、日本に帰ったら、必ずいいウイスキーをつくれよ。一生懸命やれば、なんでもできるのだ。俺も祈っているから……」

単なる知識だけでは役に立たない。涙と汗の結晶である。経験こそ、人間を成長させるということを、実習期間中、しみじみと感じたものである。

P.117-118
鳥井さんという方は、非常に進んだ考えを持っておられた。機を見る敏という以上に、将来の洋酒の伸びを見通されていた。単なる大阪商人ではなかったのである。「焼酎に色をつけたイミテーションものでは発展しない。ここで、赤玉のもうけをあげてスコッチスタイルの本格的ウイスキーにつぎこもう」

P.119-120
山崎蒸溜所 – Wikipedia 
サントリー山崎蒸溜所(大阪府)|ウイスキー蒸溜所見学 

http://lovefami.s1008.xrea.com/wp/?p=3879

P.121
資料としていちばん役に立ったのは、ネットルトンという醸造学者のウイスキーの本で、一九一七年からずっと愛読し、私の家宝としている書物である。

The Manufacture of Whisky and Plain Spirit – JA Nettleton – Google ブックス

P.123
“白札サントリーウイスキー”
サントリーホワイト – Wikipedia 
「サントリーウイスキーホワイト デザイン復刻版〈白札〉」数量限定新発売 2014.8.26 ニュースリリース サントリー 
WHISKY MUSEUM ジャパニーズウイスキー物語 水薫る 第二話 研鑽が生んだ傑作 

http://lovefami.s1008.xrea.com/wp/?p=497

P.127
オラガビール | 新聞広告 | コレクション | アドミュージアム東京 
https://touyoko-ensen.com/mini‐info/cook/ht-txt/072tanken-3.html 

P.144-145
昭和三十九年、西宮にグレーン・スピリッツをつくる朝日酒造ができ、その披露パーティの際、山本さんは「あの世への手土産ができました」と挨拶された。私はこれを受けて、「あの世があるはどうかわかりません。また、手土産が必要かどうかはともかくも、これで山本さんが、この世へカフェ式グレーンを置土産された……」と述べたら、みんな拍手して笑ったものだった。
あの人の決断によって、十数億の金を朝日麦酒が出資することがなかったら、まだまだ日本にはカフェ式グレーン・スピリッツは製造されなかっただろう。

山本為三郎 – Wikipedia 

P.149
私が四十六年前、スコットランドの地で習得したすべてを賭け、精魂こめてつくりあげたニッカウヰスキーを、みなさんが喜んで飲んで下さる。うれしいではないか!

P.150
最後に、運命といおうか、時代の流れといおうか、最近の消費者が、ほんとうにウイスキーの味を鑑別し、楽しんで飲んでくださることに、感謝したいのだ。

P.151
私はニッカウヰスキーを胸を張って誇り、数多くの人々に心からの感謝を捧げ、さらに良いウイスキーをつくるために、一生を捧げるつもりである。

竹鶴政孝 著『ヒゲと勲章 ウイスキー革命は俺がやる』https://amzn.to/3HWU3jJ

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